お手本は旦那様。

うつ、パニックを経験してやっとがんばることをやめた。「自分を知る」を続ける39歳女性の記録。

結婚相手の選び方-私の場合

正直に言うと、私が結婚できたのは、主人が私との結婚を希望したことに乗っかっただけだ。

私たちが交際を開始する2、3年前から主人は私を好きだったらしく、私がそれに気付いて近づいた。そしたらなんかいい感じになったので、交際を始めた。

交際を始めて2ヶ月ほどで、主人は結婚を言い始めた。

後から思えば、主人は感覚人間であり、決断が早い。そしておそらく世の中のほとんどの人間を嫌い、かつ信用していない。主人は周囲のほとんどの人とトラブルなく関わることができるので、許容できる範囲が仏さまのように広いと思っていたが、実はその逆で、心を許せる相手は極端に少ないということが最近分かった。

女性に関しては『女はみんな面倒くさい』と思っている。

交際を始めたり、結婚を決めたりした時、よく「相手のどこが好きなの?」とか「相手のどこが結婚の決め手?」とか質問されるが、主人の場合、おそらくどこか気に入ったところがあったことが決め手ではない。逆に『何も気に障る点がなかった』ことが決め手であった。それは『心を許せる相手はそう滅多に現れない』ことに自覚的であり、そんな相手が目の前に現れたらすかさず手に入れた。主人にとって、結婚とはただ単にそれだけのことだったのだろう。

 

一方で私はなんとなく『結婚は男が決意しないと進まない』と思っていた。女は出産できる年齢にリミットがあるので結婚したがる。男は拘束されたくないので結婚したがらない。だから男が結婚したいときは相手の女性を手に入れたいとき。男は本気の相手にはどうにかして時間を作ろうと努力するし、相手の話をちゃんと聞こうとする。主人は交際中から今に至るまで、まさにそういう行動をする。大切にされているのは間違いない。プロポーズされ、受け入れた。

 

その矢先に、私はうつ病を再発した。結果的に『私はそういう性質の人間だが大丈夫か?』を実地で試すことになったと同時に、私も鬱々としたときにでも一緒にいられる人なのかを知る機会となった。

激しい自責に苛まれ、暗い言葉と重い涙を流すばかりの私を主人は見放さなかった。時間の許す限り側にいて、ただただ話を聞いてくれた。そして少し落ち着いた絶妙なタイミングで少しユニークな言葉をかける。そんな主人に私は自然と笑うことができた。

私は素直に「この人、すげぇな」と思った。こんなひどい状態の人の横に居続けること自体なかなかできることではないと思うのに、さらに笑わせることができるなんて。だからなのか、私は結婚を考え直そうとか延期しようとか、そういうことは一切考えなかった。

私の父に結婚の報告に行ったとき、父は「娘はこういう病気を持っているがそれが大丈夫なのか、それだけを確認したい」と聞き、主人は「実際そういう時に横にいましたが、大丈夫だと思いました」と答えたそう。

 

そういうことで、私はただ相手と時期に恵まれただけなのかもしれない。

でも学生時代にうつ病になり、自分の心と向き合い続けた私を主人が好きになった。交際してからもお互いのことをその時その時で考えたり感じたりしてきた。結婚はその結果だとも思う。

 

ちなみに、婚活でよく出てくる収入・借金や住むところ、実家を継ぐ継がないの話をしたのは、プロポーズを受けてから。交際中に怪しいところはなかった通り、実際に話しても問題は出てきませんでした。

こういう人を見る目というのは、カンと経験に依るところが大きいので、極論を言ってしまうと、スペックにこだわる人は「私は人を見る目がありません」と言っているに等しいかもしれません。「なんかモヤモヤする」という感覚はだいたい合ってることが多いので、そういう感覚を一般的に言われてることで蓋をしないようにした方がいい気がします。