職業訓練を修了して
職業訓練を修了して11日経ちました。
4ヶ月間の統括的な記事を書きたいと思います。
正直言うと…しんどかった…!!
20人の集団訓練だったんですが、女性ばかりで協調性を重んじる集団だったので、自分の意見を言いがちな私はでしゃばらないようにするのが大変で、気が付いたら左の口角だけが上がって、まるで麻生太郎財務大臣のように顔が歪んでしまっていました…
というのも…
訓練で「ソーシャルスタイル診断」というものをやりました。
私たちは中途採用なので指導的立場も期待されるポジションです。コーチングする中で、相手がどういうタイプで、どういう指導が効果的なのかを測るものの一つとしてソーシャルスタイル診断を紹介され、私たちも実際にやってみることになりました。
結果は、クラスのほとんどがエミアブル、5人くらいがアナリティカル、私だけがエクスプレッシブ、ドライバーはなし。
つまりクラスの雰囲気がエミアブル的…協調性を大事にする集団ということになります。アナリティカルの人は自分の意見や感情を表にあまり出さないので、集団の輪を乱すようなことにはなりません。
問題は私、エクスプレッシブは自分の考えも感情も表に出すので、みんなの考えや流れとは違っていても自分の意見を言ったり質問をしたりする。みんなの気持ちを大事にしたいエミアブルからすれば輪を乱す存在。加えてこの集団ではエミアブルが数で優っているので「やっぱりみんなもそう思うよね?」と強気になりやすい。
私は大学でも会社でも同期がいなかったから、今回初めてそういうものを経験して、一緒に学んで教え合ったり、就職活動の不安を打ち明け合って乗り越えたりするのも悪くないなと思った。集団訓練の良さを知った。
4月から働く予定の職場もおそらく同期と呼べる人たちと一緒に研修を受ける。初めて挑戦する仕事だから、今回知った集団で学ぶことの良さを活かしたいと思った。
集団訓練、良かったな、と修了したその日まで思っていたが、その後2日間、私は寝続けた。そして歪みのとれた顔を見て思った。
「やっぱりわたし、無理してたんだな…しんどかったな」
社会人とはそういうものだと言ってしまえばそれで終わってしまう話だが、この4ヶ月間で私が本音で話したのは何回あっただろうか。
修了式後に行われたお疲れさま会の二次会で、私が眠たさのあまり、でしゃばらないストッパーを若干外して話していたら「アサヒさん、どこ高校ですか?ホントはめっちゃ頭いいでしょ」とか「今、どこ見てましたか?どっか別の世界見てたでしょ」とか言われた。
これを言った彼女は訓練中でもたまに的を射た発言をしていたから、私がでしゃばらないように隠してたこと多分ばれてた。もう少し話せる機会があればよかったなぁ。まぁ、でもこれも縁だからね。
先生が修了式で「ここで得た繋がりはこれで終わるんじゃなくて今からが始まり」とおっしゃっていたけど、私はもうこれで終わりだと思っていたから「え、そうなの?」と思った。
私が求めるのは深い人間理解であって、それを感じられる会話であるから、それを楽しめる人じゃないと私と一緒にいるのはしんどいよ。自然に繋がる分にはいいんだけど、なんか私としては、訓練で学ぶものは全て学び切ったので、もうここに置いていくものという認識でした。
職業訓練、ありがとう。私は次のステージに行きます。
さて、私が職業訓練を受けたいと思ったのは2つの理由でした。
①「自分を知る」をさらに進めるための訓練。
②新卒時、新入社員研修とかを受けてないので、『正解』を学びたい。
結果から言うと、両方ともその目的は達成されました。
詳しいことは
に書いてるので読んでください。
私が23歳、24歳の時の、新卒での入社を目指して就職活動をしていた時、会社説明会とかで一緒になった人と話すと、彼ら彼女らが見てるものと私が見てるものが違うなということに気付きはしたんですが、何が違うのか、当時の私には分かりませんでした。
彼らは「どうにか就職できてよかった」というよりは「就職を目的に行動してきたから当然の結果だ」といった態度で、自分の行動に一定の自信を持っているように見えました。
それから12年経った今、やっとその気持ちが分かりました。
きちんと自己理解・仕事理解を深めて、自分が何がしたくて、何ができるのか、今まで何をやってきて、これから何を伸ばしていきたいのか、企業はどんな人材を求めているのか、社員にどんな働き方を求めているのか(自分が求める働き方が実現できるか)…
そういうことをしっかり考えて胸にとどめた状態で就職活動をしていたから、ああいう目をしていたんですね。
そして私が卒業してからやった試行錯誤…やってみたけどこれは向いてなかったとか、体調管理のためにこうした方がいいとか、そういうことは学生のうちに色々とやってみるべきだった。
だけど、高校の時、学生の時、社会に出てからと何度かうつ病を発症して、キャリアがどうとか、そんな高尚なこと考える余裕なかった。累計でだいたい12年くらい、私の健全なキャリアの形成はストップを余儀なくされた。
偶然の一致なのか、12年。
大学卒業時に達成されるべきキャリアに対する態度が、訓練というリカレント(学び直し)の機会を得て、ついに達成された。
なんか長い間溜めてた宿題がやっと終わったというか、やっと次に行けるという気分です。
このように、私が訓練で得たのは、何か特定の職務能力ではなく、自分のキャリア(ライフキャリア)に対する考え方の方が多かったように思います。
まぁ元々「自分を知る」をやりたかったので、そうなるのかもしれませんが、職業訓練の目的は就職することなので、私の目的と一致するところだったようです。
で書いているように、パソコンの授業は正直、高校生レベルだと思います。おそらくこれからは中学生、小学生レベルになっていくんだと思います。それほど基本中の基本とされる内容。
訓練生で60代の看護師の方がいらっしゃいましたが、彼女は看護師の経験が豊富であるにも関わらず現場では使い物にならない場面があったと。それは電子カルテなどパソコンスキルが必要とされる場面。基本中の基本なので指導するようなことでもない。自分でやれるようになってきて、ということなのです。
逆をいえば、それさえクリアできれば再就職も望みがあるということなのでこの訓練に通っていたようです。
そういう例もありますが、正直、基本中の基本の内容なので、これを習得できれば就職できるという内容ではありませんでした。
ただ、求人票を見れば分かりますが、事務、販売、営業などの求人のほとんどで「基本的なパソコンスキル」が必要とされているので、それができないとなると応募できる求人がかなり狭まる。今持ってる職務能力を活かすためにそれが障害とならないようにする意味はあるように思います。
また、ビジネスマナーは授業で「基本的なことなんだけど、意外と分かってやってる人が少なかったり、できてるつもりでできてない人も多い」とおっしゃっていた通り、私もできてるところもあるけど、その目的や意味を分かってなかったりして、かなり勉強になりました。
これも基本的なことなんですが、こちらは「できて当たり前」ではなく、「基本的なことをきちんとされる方だな、丁寧な仕事をするな」と好印象を与えることができるし、学んだことをずっと忘れず実践していこうと思える内容でした。
今から訓練に通うか検討されている方の参考になるか分かりませんが、国家資格であるキャリア・コンサルタントの方に月1で相談できるし、自分のキャリアや働き方、仕事に悩んでる方にはすごくいいと思います。
ただ、先生方はサポートはしてくれますが、自己分析をするのは自分です。就職するのも自分です。「あなたはこういうタイプでしょ」とか「あなたはこの仕事が向いてるからこの求人に応募してみたら」なんてことは言いません。自分を掘り下げるのは辛い作業です。その覚悟だけはしてください。でもその先には「やりきった」感を伴う再就職が待っているかもしれません。
私に必要な学びの時間をもらいました。しんどい気持ちもありましたが、行って良かったです。ありがとうございました。